1.こんな会話してませんか?その1
試作品20個を使って引張強度を測定した結果、試作品全て規格の60-100Nの範囲に入ってます。
じゃあ量産しても60-100Nの間に入るな。
はい。大丈夫です。
量産すると不良品の山・・・
なんで??
統計的考え方を持っていると、このような失敗は簡単に未然に防げます。
2. こんな会話してませんか? その2
製品Aの品質向上のために、規格の下限値を現状の60Nから65Nにして厳しくしたい。
現状流動品を20個測定した結果、70-90Nに収まっているので規格を変更しても問題ありません。
規格変更後、不良品の山・・・
誰だ規格変更したやつは!
統計的考え方を持っていると、このような失敗は簡単に未然に防げます。
3.はじめに
なぜ上記のような失敗が発生してしまうのでしょうか?
我々が知ることができるデータは、全体のごく一部のデータ(上記の会話の中では、N=20のデータのこと)です。
そのごく一部のデータのみで判断しているため、判断ミスをする可能性が大きくなってしまいます。
我々が本当に知りたいデータは、実際の量産品全てのデータです。
しかしながら、毎日100個、200個と常に量産しているので、全てを知ることは不可能です。
なので、ごく一部のデータを使って判断をしますが、統計的な考え方を使うことにより、ごく一部のデータを使って全体を推測することができるようになります。
こんなイメージです。
ここでぜひ覚えておいて欲しい統計用語があります。
知りたい対象の全てのデータのことを母集団(ぼしゅうだん)と呼び、その母集団からサンプリングしたデータを標本(ひょうほん)といいます。
4.今回のまとめ
今回の内容をまとめると、上図のようになります。まずはこのイメージをしっかり持つことが大切です。
専門用語もありとっつきにくいですが、少しずつ慣れていってください。
5.次回は
次回は、点推定について学びます。